大舞台で花開いた年代別W杯の「その後」【なでしこジャパン、ワールドカップ8強までの道のり】(2)の画像
南(中央)は優勝した2018年のU-20W杯でキャプテンマークを巻いていた 撮影/原壮史(Sony α1使用)

 サッカー女子日本代表が女子ワールドカップ準々決勝まで勝ち進んだ。ラウンド16までの戦いと、ベスト8以降の道のりへ、サッカージャーナリスト・後藤健生が目を凝らす。

■組み合わせの幸運

 この大会、日本は組み合わせにも恵まれている。

 グループCにはFIFAランキング6位のスペインはいたものの、1、2戦目のザンビア、コスタリカは明らかな“格下”。この2戦を乗り切れば、グループリーグ突破を決めた後にスペインと楽な気持ちで対戦できる。

 さらに、ラウンド16ではグループAの1、2位と対戦することになっていたが、開催国ニュージーランドが入ったグループAはいずれも日本よりFIFAランキングが下の国ばかりだった。

 もちろん、ランキング11位の日本が6位のスペインに完勝しているのだから、ランキングが上のチームが必ず勝つというわけではない。

 だが、それでもグループAのいずれの組も日本にとって怖さを感じるような相手ではなかったことは事実だ。実際、ノルウェーよりも日本の実力は上だったし、ノルウェーもそのことを認めたからこそ“大型バス”を並べてきたのだ。

 さらに、大会はグループAの開幕戦から始まって、グループCは早めに初戦が組まれるため、大会後半には相手より休養日が多い有利な状態で戦えることが多くなる。

 日本は8月11日の準々決勝でスウェーデンと対戦することが決まったが、この試合も日本は中5日で戦うのに対して、スウェーデンは中4日しかない。

 しかも、ノルウェー戦の翌日に準々決勝の会場であるオークランドに移動して準備に入った日本に対して、スウェーデンがアメリカと戦った会場はオーストラリア南部のメルボルンだったのだ。メルボルンからオークランドまでは飛行時間が3時間かかる。休養日の少ないスウェーデンには長距離移動も伴うのだ。おまけに、スウェーデンはアメリカ相手の延長戦を強いられ、120分を戦っており、コンディション的には明らかに日本が有利ということになる。

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