8月6日、J1リーグ第22節が行われ、埼玉スタジアムでの浦和レッズ対横浜F・マリノスの注目の上位対決は、0−0のスコアレスドローとなった。この試合の終了間際に見せた浦和のDFマリウス・ホイブラーテンの“起死回生のディフェンス”が絶賛されている。
アディショナルタイム突入直前の絶体絶命のピンチだった。浦和が前線に人数をかけて攻め立てた状況でボールを失い、そこから横浜FMが鋭いカウンターを仕掛ける。
MF水沼宏太から左サイドを駆け上がったFW宮市亮へロングパスが通ってセンターラインを越えた瞬間、左に宮市、中央にMFマルコス・ジュニオール、FWアンデルソン・ロペスという横浜FMに対し、浦和はGK西川周作をゴールマウスに、DFはホイブラーテンとアレクサンダー・ショルツの2人のみ。2対3の数的不利で、スタンドにいた多くのレッズサポーターが失点を覚悟した。
だが、ここでアジア制覇の原動力にもなったJリーグ最強CBコンビが立ちはだかる。互いに首を振りながら的確なポジションを取った後、ショルツが宮市に寄せてプレーの選択肢を制限する。プレスを嫌った宮市が逆サイドのアンデルソン・ロペスにパスを送ると、ホイブラーテンがすぐに体勢を入れ替えて素早く距離を詰める。
そしてトラップが足元に入った瞬間、体を投げ出してのダイナミックなスライディングを見舞い、シュートを打たすことなくボールを外に弾き出したのだ。