大住良之の「この世界のコーナーエリアから」第117回「試合は何時から?」(4)バルセロナ会長が仕掛けた「まるで中世のような謀略」午前1時24分のゴールの画像
今年日本を訪れたバルセロナだが… 撮影:中地拓也

 サッカーは無数のディテール(詳細)であふれている。サッカージャーナリスト・大住良之による、重箱の隅をつつくような、「超マニアックコラム」。今回は「え? きょうは7時半キックオフじゃなかったの?(by 7時10分に記者席に到着したベテランサッカー記者)」

■最も早いキックオフ時刻

 ここでクイズ。プロのトップリーグで最も早いキックオフ時刻として記録されている試合がある。2003年9月3水曜日に行われたスペインリーグ第2節の「バルセロナ×セビージャ」なのだが、キックオフ時間はいったい何時だっただろう?

 想像つくだろうか。それが9月3日が明けて間もなく、午前0時5分だったのである。

 FIFAが「国際試合カレンダー」をつくり、運用を始めてから2シーズン目のこと、まだこのシステムは十分には機能していなかった。FIFAは9月6日(土)から10日(水)にかけて2試合を行う「カレンダー」を設定していたが、その直前の3日水曜日までクラブで試合をすることができた。

 まだ「黄金時代」を迎える前だったが、バルセロナは所属選手のうち9人が6日土曜日にそれぞれの代表でプレーすることになっていた。MFアンドレス・イニエスタはユースから昇格したばかりでまだ代表入りしておらず、キャプテンのMFルイス・エンリケは前年で代表を退いていたが、スペイン代表にはDFカルロス・プジョルやMFシャビ、ブラジル代表にMFロナウジーニョ、アルゼンチン代表にFWハビエル・サビオラ、オランダ代表にMFエドガー・ダビッズ、ポルトガル代表にリカルド・クアレスマ、そしてメキシコ代表にDFラファエル・マルケスなど、そうそうたるメンバーが並んでいたのだ。

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