■アジアカップが突きつける問題

 2024年の1月にはアジアカップも控えている。

 ヨーロッパ選手権であるEUROや南米選手権であるコパ・アメリカなど、大陸別選手権の多くはヨーロッパのシーズンオフに当たる6月に開催される。だが、アジアカップとアフリカ・ネーションズカップはヨーロッパのシーズンが佳境に入る1月、2月に開催される(今回のアジアカップは、本来は2023年6月に中国で開催されるはずだったが、新型コロナウイルス感染症の影響で中国が開催を断念したため、2024年1月にカタールで開催されることになった)。

 アジアカップのためにシーズン中に1か月も戦線を離れてしまうことは、クラブでのポジションを失う原因になりかねない。

 今シーズンは、そんな危険もあるのだ。だから、11月のワールドカップ予選では海外組の招集を見送るべきなのかもしれない。

 少なくとも長距離移動を強いられる(そして、対戦相手との戦力差も大きい)11月16日のホームゲームは国内組だけで試合をして、ヨーロッパ組を起用するのは移動距離の小さいシリア・ホームの試合だけにすればいいのではないか。

 新型コロナウイルス感染症の流行は小康状態にあるが、今後、変異ウイルスの出現などで再び移動が困難な状況が生じる可能性はゼロではない。その他、様々な理由でヨーロッパ組の招集が難しくなることもありうる。そんな時のために、国内組でも日本代表として戦えるようにしておくことは無駄ではなかろう。

 そしたことを考えれば、11月16日の試合は国内組で戦った方が良いのではないだろうか。

(3)へ続く
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