7月26日、川崎フロンターレの練習メニューをすべてこなすDF田邉秀斗の姿があった。本人はすでに前週から入っていたと明かしたものの、報道陣に公開された中ではこれが初めて。最終ラインのピンチを救うためにチームに戻ってきた21歳が元気な姿を見せた。
昨年に続いて今季もジェフユナイテッド千葉へ育成型期限付き移籍をしていた田邉が川崎に戻ってきたのは3月13日のことだった。最終ラインで離脱者が続出していた川崎からの要請に応える形で復帰。3月18日のセレッソ大阪戦で早くも先発すると、勝利こそできなかったものの完封に貢献した。
その後、ルヴァンカップ湘南戦、J1札幌戦と出場したのだが、4月9日のガンバ大阪戦で負傷。左ひざ内側側副靭帯を損傷して同12日に手術を行い、全治4~5か月程度と発表されていた。
「筋力トレーニングとか、走りのトレーニングとかの結果を見て、トレーナーの方とかから“行けるんじゃない?”って言われて、こんな早くやらせてもらえるんだって」と自身も驚きを隠せない回復ぶりだったが、「でも、ここからが慎重にならなければいけない」と、再発しないための強い意識を持っている。
だからこそ、「今、まだ怖さみたいなものはあってゼロではないんで。そういうときこそ、こう行ったら危ないからもう一歩詰める、とか、自分の中で頭を使いながらやっていければ」とイメージを膨らませながら、出場機会を狙っていく。
試合に出られる状態か聞くと、「そうですね」と即答したうえで、「もちろん、心肺のところとか上げていかなければいけないんですけど、怪我人という扱いではない」。さらに、「これまでやっていた筋トレとかを(復帰したからといって)急にゼロにしちゃうと足も慣れないと思うんで、きついと思うんですけど、シーズン中もやり続けて、かつ、練習も高強度でやれるような体にしておけば、さらにリハビリとかしなくてもよくなったときに、もっと強くなれるんじゃないかなって」と、負傷前以上のパワーアップを目指す。
実際、「練習時間よりも早く来て超音波を当てたりとか、トレーニングの量も増えましたし、自分の体を見つめ直す機会になっているんで、そういうところはプラスに捉えています」と、すでに取り組み方で大きな変化を自身に課している。