■「怪我したからビビったりとかはなしで」
とはいえ、田邉にとってこれが初めての大きな負傷。怪我をしている間のチームへの想いを聞いてみると、「チームのことも考えなければいけないですけど、まだ若いんでそこまで考える余裕がなくて。とりあえず、怪我する前よりも強くなって帰っていけるようにトレーニングしたいなと思います」と素直に語った。不安なこともあるが、それでも自分に矢印を向けることで自身を高めていく。しかし、それが結果的にチームへの大きな貢献となる。
29日にバイエルン・ミュンヘン戦、8月2日に天皇杯4回戦としての高知ユナイテッドSC戦を控えている。「短い時間でも出られるなら、自分の良さというか、怪我したからビビったりとかはなしで、しっかりと戦える選手になって戻りたい」と強い決意も示す。
バイエルンに所属しているドイツ代表のセルジュ・ニャブリが麻生に来ていたこともあって、田邉にとっては遠くて身近な選手となる。実はリハビリの時間とニャブリの自主練習の時間が重なっており、「うまいなぁ」「すごいなぁ」と驚くこともあった。そして、スマホを手にしてそのゴール集やプレー集を見るようにもなったという。
「見入っちゃいました」と語るドイツ代表と仮にピッチで対戦するとなれば、自身の現在地を確認するうえでも絶好の場となる。