■異様な光景
ピッチのすぐそばで交代要員たちがウォームアップをしている光景は、開幕当初から私には非常に異様に映った。驚くことに、このエリア設定は周囲に広大なスペースがあるハリファ国際にも適用されていた。
メインスタンドから見て左側のベンチを使うチームはまだ問題が少ない。しかし右側のベンチを使うチームの選手たちは、メインスタンド側のタッチラインの右半分を受け持つ副審のすぐ背後で動き回っているのである。副審はタッチライン沿いに動く。ときにサイドステップを使い、ときには選手たちに負けないスピードで疾走する。勢いよく旗を上げなければならないときもある。その「走路」の幅が1メートルしかないのは辛いし、ときに怖かっただろう。陸上競技のトラックの1レーンの幅でも、「4フィート(1.22メートル)あるというのに…。