■ビルドアップのミスで先制点を献上
大分トリニータにとっては、「非常に痛い敗戦」(下平隆宏監督)となった。
7月9日に一斉開催されたJ2リーグで、3位の大分は7位の清水エスパルスと対戦した。22節のジェフユナイテッド千葉戦と23節のジュビロ磐田戦を引分け、前節のFC町田ゼルビア戦を0対3で落としている大分にとっては、勝点3がほしい一戦である。
下平監督を悩ませているのは、ケガ人が絶えないことだ。DFペレイラ、MF茂平、MF町田也真人、FW梅崎司らが、長く戦列を離れている。この日は4バックの左SBを務めてきた高畑奎汰がメンバー外で、システムを4-2-3-1から3-4-2-1へ変更した。3バックはシーズン序盤に採用していたが、このタイミングで戦術に手を加えるのは緊急事態とも言えた。
試合の入りで痛恨のミスが出た。10分、GK西川幸之介がパスミスをおかし、清水MF乾貴士に決められてしまうのだ。
大分が攻撃の強みとするのが、左サイドのMF藤本一輝の突破力だ。チームトップの5得点をあげている彼は、得意のドリブルで相手を剥がすことができる。しかしこの日は同サイドのMF中山克広、DF北爪健吾の対応に追われ、アタッキングサードでの仕事が限られてしまった。