■後半開始直後に同点とするも…
0対1で追いかける後半開始直後、大分は同点に追いつく。左サイドの藤本がDFラインとGKの間へ、インスイングのクロスを入れる。FW伊佐耕平がニアサイドへ飛び込んで相手の視線を集めると、その背後からMF松尾勇佑が侵入していた。「目に見える数字を残していきたい」と話していた大卒1年目の23歳が、シーズン2点目を蹴り込んだ。
大分は19節のヴァンフォーレ甲府戦を最後に、5試合連続で複数得点を記録していない。2点目を奪えるかどうかはこの試合でもポイントとなるが、清水に先を越されてしまう。63分、乾にドリブルからのスーパーミドルシュートを決められた。
下平監督は交代カードを切っていくが、清水も4バックから3バックに変えて逃げ切りをはかる。1対2のまま押し切られ、前節の町田戦に続いてホームで黒星を喫してしまった。
25節終了時点の順位は、勝点54の町田が首位で、同44の東京ヴェルディが2位となっている。3位には7戦負けなしの磐田が勝点44で浮上し、4位は勝点43のヴァンフォーレ甲府だ。勝点42の大分は5位で、清水が勝点41で迫っている。7位の長崎も清水と同じ勝点41だ。
今シーズンの戦いぶりを見ると、この7チームの上位進出は論理的だ。J1昇格をめぐる争いは絞り込まれつつあり、大分は踏ん張りどころだ。
中位から下位との対戦が続く今後の試合で、確実に勝点3をつかんでいく。そのうえで、大分は得失点差を改善したいだろう。上位7チームでは唯一となるマイナスを記録しているのだ。他チームと勝点で並ぶことも想定すると、得失点差をプラスに持っていくことが欠かせない。
流れを変えるタレントの登場が望まれる。