■見ているところが違う旗手
――ワールドカップ本大会まで時間があるのに、早いうちから出来上がりすぎるのが心配なほどです。
後藤「いやいや、おそらく三笘薫はもっと大きなクラブに移籍して、もっと活躍するようになるわけだしさ」
大住「三笘は今回、プレミアリーグでの初シーズンの疲れを引きずっていたような感じがあったな。プレーの精度が、いまいち高くなかった。今年初め頃の絶好調のプレーを出せたら、もっともっと圧倒的になったと思うんだけど」
後藤「逆に鎌田大地は、移籍問題があってフランクフルトでくすぶっていた時期があったけど、移籍が無事に決まりそうで、すごく吹っ切れてやっていた。そういうふうに、人間だからそれぞれに良かったり悪かったりすることがあるけど、とにかく全体としてレベルがすごく上がったよね」
大住「それに、旗手怜央がすごく良いよね」
後藤「そうそう。今回の一番の収穫は旗手だよね。なんでカタールに連れていかなかったんだろうと改めて思うよ。エルサルバドル戦でフル出場して、ペルー戦でもあれだけやるんだからさ」
大住「見ているところが違うよね。相手守備陣を驚かせるところに展開できる」
後藤「場合によっては、ポジションを下げて守備の仕事もするしね」
大住「遠藤がアンカーに入って、その前に旗手と鎌田がいたわけだけど、試合状況に応じて旗手がものすごく巧みにポジションを取ってチームのバランスを保っていたよね。ああいうことができる選手というのは、非常に貴重だと思う」
後藤「前半の立ち上がりにペルーに押し込まれる時間があったけど、すぐに旗手がポジションを変えて立て直したことで1点目が入ったからね」