■勝負弱さの原因

 もちろん、コンディションを考えても90分にわたって激しい攻撃を続けることは不可能だし、必要のないことだ。全体的に慎重に戦いながら、相手の動きが落ちてきたり、深い位置でセットプレーのチャンスを得たりといった、いわゆる「ここぞ」という場面で一気にテンポを上げて勝負を決めに行く姿勢がほしかったのだ。

 あるいは逆に、1点のリードを守り切るために完全に割り切って戦う決断が必要だったのかもしれない。

 しかし、年代別日本代表の選手たちは、そうした試合の流れを読んで試合運びにメリハリをつけることができなかった。90分を同じようなリズムで戦い、ゲームはコントロールしながら、試合の途中でギアチェンジをしてきた相手に対応できずに失点してしまったのである。

 こうした、年代別日本代表の「勝負弱さ」の原因の一つが試合経験の不足にあるような気がする。

(3)へ続く
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