現在、日本代表が活動中だが、年代別日本代表の強化も進められている。大会に臨んでいるが、見えている問題がある。年代別日本代表、つまりは未来のサムライブルーが世界で勝ち上がるためには何が必要なのか。サッカージャーナリスト・後藤健生が切り込む。
■大会初戦の戦い方
U-20ワールドカップの最終戦で、何が足りなかったのか……。やはり、ここでも足りなかったのは「2点目を奪いにいく迫力」だった。
もちろん、現場で戦っている選手たちにとって、それは容易いことではないのかもしれない。
U-20ワールドカップのイスラエル戦は大会3戦目だった。
地球の裏側のアルゼンチンまで長距離移動をして、中2日での3連戦。しかも、初戦と2戦目を戦ったラ・プラタでは柔らかいピッチコンディションにも悩まされた。選手たちの疲労度はかなり高かったはず。
そんな中で1対0でリードした流れをコントロールしていたのだから「慎重に戦って、このまま試合を終わらせよう」と考えることは理解できる。
一方、U-17代表にとってウズベキスタン戦は大会初戦だった。
どんな大会でも初戦ならではの緊張感はある。また、初戦だと相手を事前に偵察することができない。日本代表は昨年ウズベキスタンに遠征して対戦経験はあるとしても(0対3の敗戦)、今大会のウズベキスタンはこれが初戦。それだけに、相手の出方を見る必要もあっただろう。そして、ウズベキスタンはグループの中で首位を争うであろう最強の相手である。