3月にはカタールワールドカップのチームを解体し、6月には東京五輪世代以下に大きくシフトチェンジした新生森保ジャパンは、2026年アメリカ・カナダ・メキシコワールドカップに向けて一歩ずつ歩んでいる。
6月のメンバーは、追加招集された伊藤敦樹も含めた27人のうち、カタールワールドカップメンバーはシュミット・ダニエル、谷口彰悟、板倉滉、伊藤洋輝、遠藤航、伊東純也、浅野拓磨、守田英正、鎌田大地、相馬勇気、三笘薫、前田大然、堂安律、上田綾世、久保建英の15人と過半数を超えた。それでもワールドカップの平均年齢27.8歳が、エルサルバドル戦ではスタメンは25.8歳に下がるなど、世界大会の経験を持ちつつ若返りも進めることができている。
これまで以上にボールを保持して攻め込める時間を増やそうとしている森保一監督の意図も非常に分かりやすい。カタールではドイツ、スペインという強豪国を相手にすると、3バックが5バックになってしまうような一方的な展開になってしまった。
それでも采配の妙で勝利を収めることができたが、そんな戦いぶりでは継続して勝つことは難しい。そのときの問題をどう解決するかという策を、監督は個人のスキルアップとともに日本人が得意とする連係プレーに求めようとしている。
元々森保監督は思考が非常に論理的だ。問題点を抽出し、優先順位を付けて一つずつ解決していく。大幅に選手を入れかえたり、目新しいことをどんどん取り入れたりしていくような派手なことはしないが、そのぶん歩みは着実だ。