■関心が高まらないWEリーグ
日本では事態はさらに深刻だ。
2021年に初のプロ・リーグ「WEリーグ」が発足。当初は1試合平均5000人の観客動員を目指していたはずだが、目標には遠く及ばないのが現状で、2022-23年シーズンの1試合平均動員数は約1400人にとどまっている。
2011年にワールドカップで優勝した当時に比べて、女子選手たちの平均のレベルは間違いなく上がっている。だが、熱心なサポーターは存在するものの、WEリーグが一般の関心を引き付けることはまったく出来ていないのが現状なのだ。
世界的に見ても女子サッカーはまだ「普及」を目指す時期にある。そして、とくに日本では「いかにして観客動員を増やして、プロ・リーグとして存続していくか」を考えなければならないのが現実だ。
したがって、多くの人たちの関心を引き付けるワールドカップでの日本代表(なでしこジャパン)の活躍はWEリーグ活性化のために必須。そして、一般の人たちにそれを見てもらうためには、地上波での放映が不可欠なのだ。
インターネット配信は、熱心なファンにとってはいつでも、どこでも視聴できる便利なツールだが、それほどサッカーに、女子サッカーに興味を持たない人たちに目を向けてもらうためには地上波放送はなくてはならないものだ。