■「ミシャ式」とは

 もちろん、ミシャのサッカーを見るだけのために広島や札幌まで通うわけにもいかないので、僕はミシャの試合を全部見ているわけではない。しかし、柏戦の前半は少なくとも僕が見た中では最も攻撃だった。

「ミシャ式」を簡単に復習しておこう。

 基本のシステムは3-4-3(3-4-2-1)のスリーバックである(守備時にはウィングバック=WBが下がってファイブバックとなる)。

 しかし、攻撃の場面では両WBは最前線まで進出して、前線に5人のアタッカーが並ぶ。さらに、ボランチの1人が最終ラインに下りてくると同時に、左右のセンターバック(CB)がサイドバック(SB)の位置に開いて攻撃に上がっていく。最終ラインには中央のCBとボランチの2人が残るから、この瞬間の並びを数字で表せば「2-3-5」という形になる(システムを数字で表現するのは便宜上のもので、戦術を語る上ではほとんど無意味なのだが……)。

 広島や浦和では、ボランチとして最終ラインに下りてくる役割は森崎和幸や青山敏弘、あるいは阿部勇樹が務め、左右に開いて攻撃に参加するセンターバックとしては森脇良太槙野智章といった選手が中心だった。

「ミシャ式」の基本は変わっていない。

 柏戦では札幌のスリーバックは右から田中駿汰、岡村大八、菅大輝。WBは右が金子拓郎、左がルーカス・フェルナンデス。ボランチはキャプテンの荒野拓馬と中村桐耶。前線は小柏剛を中心に右に浅野雄也、左に駒井善成(駒井はやや下がり目でトップ下的な役割)。

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