■「大迫選手に負けたくない」

 柏戦の快勝の要因を、「ボールホルダーが何を考えているのかの意思疎通がかなりできていた」(小林)とみている。「“こうなったらこうなるだろうな”っていう感覚で自然と体が動いていた」と話せばこそ、「その感覚のすり合わせっていうのが、メンバーが変わっても合わせていかなきゃいけない部分もありますし、その入ってきたメンバーの良さを出すための意思の疎通っていうのが大事になる」と、次にもつなげようと見据えている。

 その次節で対戦する相手はヴィッセル神戸。首位チームの本拠地に乗り込んで戦うこととなる。背番号11は、「大迫(勇也)選手だったり武藤(嘉紀)選手だったり、前線の個の力が強いと思うんで、そこをしっかり押さえなきゃいけないのと、自分たちは自分たちらしくしっかりボールをつないでいって、攻撃の時間を増やすことが大事」としたうえで、「優勝するためには、順位が上のチームを直接叩いていくしかない」と闘志を燃やしている。

 今季の大迫勇也は絶好調で、得点だけでなくボールキープなどさまざまな局面で良さを発揮しており、どの対戦相手もその対応に苦慮している。小林も「ノッているなという印象」を持っているだけに、日本を代表するストライカーである小林自身にそうした選手を止めることについて聞いてみると、「いや、難しいんじゃないですかね。ノッているってことは、その試合をやる前から点を取れる気がしていますし、それは僕も経験している」と説明する。

 とはいえ、相手の調子が良いからこそ、「逆に自分も、この前のゴールに連続で今回決めることでノッていけると思うし、自分が決めることでチームを勢いづけられると思う。自分のゴールは個人だけじゃなくてチームを良くするためにも価値がある。大迫選手に負けたくないですし、チームを勝たせるためのゴールを決められるよう頑張りたい」と自分に矢印を向け、そして、奮起を促す。

 柏戦でのゴールには、「一瞬の判断で、この場所だったらこうかなって感覚で、それは経験(から裏打ちされたもの)だと思います」とストライカーらしいコメントを残したが、その“野生の動き”をノエビアスタジアム神戸でも見せつけてくれそうだ。

(取材・文/中地拓也)

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