ふたりの人物が地球を支えているデザインで、高さ36.5センチ、円形の底面の直径は13センチ、18金部分が全体の4分の3を占め、ベース部分には2列のマラカイト(孔雀石)が使われている。重さは6.175キロ。ただ、中まで18金ではない。中空になっている。もし中まで金で埋めると70から80キロという途方もない重さになってしまうからだという。この18金だけでも、現在のレートで3600万円以上の価値があるらしい。
■カップの語源
さて本題に戻ると、この「FIFAワールドカップ」は「カップ(杯)」の部分がない。「カップ」とは古ラテン語の「大桶」や「樽」を示す「クパ」を語源とし、後に「杯(さかずき)」の意味で使われるようになった言葉。お酒を飲むための器(うつわ)だから、球形の「地球」では、「カップ」としては用をなさないのである。
一方、トロフィーとは、一般に優勝や入賞の記念品一般を示す言葉である。ギリシャ語の「トレペイン(回転する)」を語源とし、そこから「敵を撃退した記念」「戦利品」の意味が生まれたという。スポーツとしての狩猟には「トロフィーハンティング」という目的をもった分野があり、獲物の頭部はく製や毛皮、角などを自宅に飾るために行われる。このはく製や角、毛皮も「トロフィー」と呼ばれる。