5月20日、J1リーグ第14節が行われ、横浜FCが2−1で川崎フロンターレに勝利した。前半44分のMF井上潮音のボレー弾も見事だったが、それ以上に度肝を抜いたのが、後半開始早々のFW山下諒也の右サイドぶち抜きゴールだった。
後半3分だ。川崎の波状攻撃を横浜FC守備陣が跳ね返す展開が続いた中、自陣の低い位置でこぼれ球を拾った山下が、右サイドの山根永遠へボールを渡す。そのまま前方に走り出した山下の動きを見て、山根が相手陣内の広大なスペースを目掛けてロングパスを送り込んだ。
この時点ではチャンスの予感はゼロに近かったが、その状況を山下が一人で変えて見せる。右サイドのスペースに転がったボールを目掛けて、ハーフウェーライン手前から猛ダッシュを始めた山下は、前方を走っていたDF車屋紳太郎との距離をみるみるうちに縮めると、背後から一気に追い抜いて右サイドのタッチライン際を突破。わずか2タッチでボックス内に侵入すると、そのままの勢いでGKと1対1に持ち込み、最後は上福元直人の足元を抜いてゴールに流し込んだ。
驚異的なスピードで、自陣から約60mを全速力で走り抜けた一人ロングカウンターに、ホーム・ニッパツ三ツ沢球技場はどよめきの後、割れんばかりの大歓声に包まれた。