■アジアでの戦いとは異なる手法
そして3つ目、過密日程の中でターンオーバーも重要になる。今大会、グループステージは中2日の日程で3試合を行い、決勝トーナメント以降も中2日、3日でのスケジュールとなっている。同じ中2日だった東京五輪、中3日だったカタールW杯同様、全試合を同じスタメンで臨むことは現実的ではなく、選出21人のメンバーを、より効果的に起用することが、試合を優位に進めるための大きな鍵となる。
冨樫監督は今回、複数ポジションでプレーできる選手を多く選んでおり、組み合わせは何パターンも考えられる。基本は4−2−3−1システムが予想されるが、選手のコンディションの見極めた上で、どのメンバーで臨むのかが、試合前の最初のポイントになる。
さらに4つ目、“切り札”が誰になるか、だ。交代枠5人が定着した中で、試合途中の戦術変更と“切り札”の投入は、有効かつ常套手段になっている。カタールW杯での森保ジャパンでは三笘薫がその役割を担ったが、今回のU−20日本代表にも同じような人材が、特にビハインドを負った展開になった場合は必要になる。
U−20アジア杯では、永長鷹虎(川崎フロンターレ)が後半からピッチに立って切れ味鋭いドリブル突破でチャンスを作り出す場面が多かったが、スタメンで出場していた甲田英將(名古屋グランパス)や横山歩夢(サガン鳥栖)が今回は不在。
永長が前半からピッチに立った場合、アジアでの戦いとは異なる手法が必要になる。熊田直紀(FC東京)、坂本一彩(ファジアーノ岡山)、福田師王(ボルシアMG)の3人のFWの起用法、投入のタイミングが鍵を握りそうだ。