久々に多くの人が各所へ足を運んだ今年のゴールデンウイークには、日本のサッカーも盛り上がった。終盤の6日に、浦和レッズが3度目となるACL優勝を決めたのだ。その翌日には、もうひとつの浦和も気を吐いた。男子チームとレディース、2つの浦和の奮闘をサッカージャーナリスト・後藤健生がつづる。
■ベレーザの一撃
さて、試合を完全にコントロールして試合を進めた三菱重工浦和レッズレディースだったが、ベレーザの堅い守備に阻まれ、シュートもことごとくブロックされてしまう。
中央のスペースを完全に消されてボールを持ちながらも攻め崩せない展開は、まるで前日の浦和レッズとアル・ヒラルの試合を思い起こさせた。ACLではアル・ヒラルがボールを持ち、浦和が中央を固めて守り切ったのだが、WEリーグのベレーザ戦では浦和レディースが試合をコントロールし、ベレーザが中央を固めた。
そして、ACLの試合でレッズが先制したのと同じように、WEリーグでも守勢に回っていたベレーザが先制した。
ベレーザのFWは今や日本代表でも得点源となった植木理子。そして、昨年のU-20ワールドカップで活躍し、ブロンズブーツ賞を獲得した藤野あおばのツートップだった(ベレーザはこれまで4-3-3で戦うことが多かったが、浦和L戦は4-4-2)。
そして、藤野が強引にドリブル突破を試みるプレーが突破口を切り開く。
29分にも藤野がバイタルエリアでパスを受けて、左SHの北村菜々美につなぎチャンスを作り、浦和Lがクリアしたボールを拾ってすぐにつないで、最後は木下桃香のクロスを植木がヘディングで決めてベレーザが先制した。