■雨中の激戦

 浦和Lの「1敗」は、現在2位に付けているI神戸とのホームゲームだったが(1対2)、この試合も内容的には浦和が完全にコントロールして、I神戸のカウンターにやられた試合だった。

 浦和Lを追う立場のI神戸やベレーザがマイナビ仙台レディースやサンフレッチェ広島レジーナ、アルビレックス新潟レディースといったチームを相手に勝点を落としている中、浦和LはそのI神戸戦以外では一つの取りこぼしもしていなかった。とすれば、浦和はやはり日本最強チームと言っていいだろう。

 さて、5月7日のベレーザ戦は強い雨が降りしきり、強風が吹きつける最悪のコンディションとなったが、それでも浦和がしっかりとボールを握ってゲームをコントロールしながら試合を進めた。

 安定感をもたらしたのは浦和Lの中盤だった(システムは4-2-3-1)。

 ボランチは複数ポジションをこなす長身の塩越柚歩とボランチの職人、柴田華絵の2人。塩越の動きはいつ見てもダイナミックだし、つねにバランスを取り続け、気の利いたポジションに顔を出す柴田の動きは職人技。

 FWは日本代表でも長く活躍した大型CFの菅澤優衣香とセカンドストライカー的な位置を取る猶本光の2人。

 猶本は非常に真面目にプレーする選手で、もう少し「遊び」があった方がよいのだが、最近はその“真面目さ”という自らの特性をさらに突き詰めて一つ高い領域に近づいているようにも思える。とにかく、精力的に動く猶本はボールタッチの回数が非常に多い選手だ。

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