久々に多くの人が各所へ足を運んだ今年のゴールデンウイークには、日本のサッカーも盛り上がった。終盤の6日に、浦和レッズが3度目となるACL優勝を決めたのだ。その翌日には、もうひとつの浦和も気を吐いた。男子チームとレディース、2つの浦和の奮闘をサッカージャーナリスト・後藤健生がつづる。
■さいたま市での連戦
さて、5万3374人のサポーターで埋め尽くされた埼玉スタジアムを後にした僕は、東川口駅での大混雑に巻き込まれるなどしながら深夜に帰宅。そして、翌5月7日には同じさいたま市の浦和駒場スタジアムに足を運んだ。
シーズン終盤を迎えたWEリーグ第17節の三菱重工浦和レッズレディース対日テレ・東京ヴェルディベレーザの試合があったからだ。
さきほど「浦和レッズは残念ながら現在の日本の最強クラブではない」と書いた。だが、女子サッカーの世界では浦和レディースは間違いなく日本の最強チームとなっている。
なにしろ、浦和レディースは前節終了時点までに14試合を消化して(WEリーグは11チームのリーグ戦なので節数と試合数は一致しない)、13勝0分1敗の勝点39ポイントで首位に立っているのだ。2位のINAC神戸レオネッサとは、勝点6の差があり、難敵ベレーザ相手に勝利すれば、WEリーグ優勝に一歩も二歩も近づくことができる。そんな大事なゲームだった。