■「見てるのはミスの回数とかではない」

 今年4月5日のルヴァンカップ浦和レッズ戦で先発し、国内のプロ公式戦初出場を飾る。国内の、と付けたのは、先述したようにすでにACLで試合出場を果たしているから。アジアデビューのほうが早かったという事実も、そのスケールの大きさを表している。

 そして同15日には名古屋グランパスとのJ1リーグ戦でも先発出場。以降、リーグ戦では5試合連続でフル出場している。その直近のゲームである5月8日のサガン鳥栖戦では、前半途中に最終ラインから鋭い縦パスを脇坂泰斗に供給したが、「あのボールを出すちょっと手前も、一瞬、相手の逆を取って、きゅっと前を向いているんです」と説明。

 そして、「ギリギリまで相手の逆を取って、だからあそこに落ち着いて出せる。あれも結局、あのボールを蹴れないと、あの選択はない」と話す。それでも、「まだもうちょっと(回数として多く)蹴りたいですけどね」と付け加えるのは、期待値が高いからだ。

 鬼木達監督は、「見てるのはミスの回数とかではない」と指導者としての視点を説明し、「何回チャレンジして、何回成功したか」の重要性を説く。その理由は、観客席で「見ている人もそういう、成功するところを見たいんだろうから、チャレンジしてるところを見たい」と考えるから。

 5月12日、鬼木監督はチームを率いて30周年スペシャルマッチとしての多摩川クラシコを国立競技場で戦い、一方で、高井は大舞台のためにアルゼンチン入りする。2つの戦いで、川崎フロンターレのエンブレムがきっと輝く。

(取材・文/中地拓也)

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