「監督がいつスタメンを外しても文句は言えない」浦和MF大久保智明が抱える危機感。「浦和のアタッカーでいうと物足りなさは感じています」と話すからこそ、誓う進化の画像
サガン鳥栖のゴールに迫る浦和レッズのMF大久保智明 撮影:中地拓也

 浦和レッズのMF大久保智明が0-2で敗戦したサガン鳥栖戦を振り返った。
「今日が一番大事だと監督は言っていましたし、僕らも今日は気が緩んでしまうと分かっていたからこそ、(試合の)入りは良かったのですが、後半の1失点目で、みんな止まってしまって隙を突かれ、2失点目はいつかあるだろうなという失点。質も上げないといけないし、前半、僕自身も決めなければいけないところもありました。後半にもありましたし、あれを決めないといけない」

 大久保の言う1失点目は一瞬の隙を突かれてのこと、2失点目は自陣でのビルドアップミスを突かれてのことである。

 激戦を制してアジア王者にたどり着いたが、気持ちを張り詰め、極限まで力を出し切ってのタイトル獲得だった。心身ともに過大な疲労は残っていた。どこか体も重く、出足の一歩が鈍かった。「後半の入りが悪く、全体的に一気に疲労がきましたが言い訳にならない」(大久保)。

 結局0-2で浦和は公式戦14試合ぶりの敗戦となった。「(浦和は)アジア王者になりましたが、日本では王者ではないので、そこは教訓になりました。“全然ダメだよ”と鳥栖に教えられました」。

 また、大久保自身も前半で2本のシュートをマーク。特に40分には前半最大のチャンスを迎え、DF荻原拓也のクロスのこぼれ球を大久保が狙ったが、GK朴一圭にセーブされてしまった。

 大久保は「(リーグ戦)10試合スタメンで出て1アシスト。監督がいつスタメンを外しても文句は言えないし、それは妥当だと思っています。浦和のアタッカーでいうと物足りなさは感じています」と悔しさを噛みしめた。

 そして自身のプレーを冷静に分析し「ゴール前になった時に、自分が“結果を出したい”という思いが判断をワンテンポ遅らせている。繋いだその先のプレーに価値を見出したい。実力不足だと感じさせられます」と話すと「打たなければいけない。丁寧にいってしまうからこそディフェンダーに当たってしまう。思い切る」と気持ちを切り替え、迷いが生まれないよう積極的に足を振っていく覚悟だ。

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