■清水の9点はクラブ最多得点試合

 前半終了間際にも中山が決め、清水は前半を3対0で折り返す。

 後半はさらなるゴールラッシュとなった。51分、乾の右CKから井林がヘディングシュートを決めると、52分に左MFカルリーニョス・ジュニオが5点目を奪い、57分には再び乾のスルーパスから中山がハットトリックを達成して6対0とする。

 残り20分からは、チアゴ・サンタナのゴールショーだ。71分、北爪のクロスを右足ボレーで蹴り込むと、85分にFW北川航也のアシストから左足で難なくプッシュする。締めくくりは90+8分だ。MFディサロ・燦・シルヴァーノが倒されて得たPKを、落ち着いて左足で流し込む。中山に続いてのハットトリックで、ゴールショーを締めくくった。

 超アグレッシブのスローガンどおりの9ゴールは、清水にとってJ1、J2を通じての最多得点試合となった。それでも、9対1で勝利した試合後、秋葉監督は厳しい表情を浮かべた。90+4分に許した失点に触れた。

「新記録をやってのけたのは素晴らしいですけど、僕にとってはあの“1”がいらない。チャンピオンになるチームに、あの1点は要らないですから」

 通算成績は5勝7分2敗の勝点22で、今シーズン最高の7位まで順位をあげている。首位のFC町田ゼルビアとは勝点「8」差だ。J1昇格圏が、手に届くところへ近づいている。

 次節までは中6日の猶予があるが、そこからは中2日または中3日での5連戦だ。ルヴァンカップに出場している清水は、他チームに比べて連戦が多い。厳しい日程のなかで勝点を積み上げていく必要があるだけに、秋葉監督は失点に触れることでチームを引き締めたのだろう。

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