■乾の「プレーモデル」先制弾で清水が勢いをつかむ
超攻撃的、超アグレッシブを掲げる清水エスパルスが、攻撃力を爆発させた。
ゴールデンウィーク最終日の5月7日、J2リーグ第14節が行なわれた。秋葉忠宏監督が指揮する清水は、ホームのIAIスタジアム日本平にいわきFCを迎えた。指揮官交代後のリーグ戦で4勝2分と負けなしの清水は、前節からスタメンを6人入れ替えた。ゴールデンウィーク中の3連戦で、秋葉監督はターンオーバーを採用している。
試合はいきなり動く。清水が動かした。
右CB井林章の斜めのパスを、敵陣に侵入していた右SB北爪健吾がワンタッチで縦へ流す。パスを受けた右MF中山克広がゴール前へクロスを供給すると、ニアサイドへ入ってきたFWチアゴ・サンタナが右足を振る。背番号9はボールにインパクトできなかったものの、その背後からトップ下の乾貴士が走り込んでいた。
ワンバウンドしたボールを右足ボレーでとらえると、右ポストを叩いた一撃がゴールに吸い込まれる。秋葉体制で攻撃の連動性を高めている清水にとって、自分たちのプレーモデルと言ってもいい電撃弾だった。
3連敗中で20位に沈むいわきへの先制パンチは、そのまま試合の主導権を握ることにつながる。16分には自在にポジションを変えながら攻撃を操る乾が、華麗なアシストで2点目を生み出す。
敵陣中央あたりで相手選手とルーズボールを競ると、乾は空中に浮かせてマイボールにする。そのまま右足のアウトサイドで、ボールをゴール方向へさばく。これが中山へのラストパスになり、背番号11が右足でGKの右脇を破ったのだった。