浦和レッズが、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)決勝第2戦に臨む。目指すは2017年以来のアジア王座だ。今シーズンここまでの歩みが、戴冠の期待とともに、その先の明るい未来の予感につながる。浦和のACL決勝とその先を、サッカージャーナリスト・大住良之が展望する。
■ACL決勝のリハーサル
ACL決勝前の最後のJリーグは、4月23日、川崎フロンターレとのアウェーゲームだった。今季J1ではホーム未勝利の川崎は必勝の意気込みで臨み、激しいプレッシャーをかけてきた。浦和は例によって両センターバックとGK西川で粘り強くボールを回し、そのプレッシャーをいなしながらチャンスをうかがった。
後半立ち上がりに川崎に先制を許しても、浦和がリスクを冒して攻め返したわけではない。それはまるで「ACL決勝のリハーサル」を見ているようだった。「0-1ならOK」「どこかで同点に追いつければ上々」。レッズはその後も両センターバックとGK西川でパスを回し、後半半ば過ぎから4人の選手を交代で送り出した後にその交代選手たちが見事に働いて1-1の同点に追いついた。
ゴールを決めたのは、第2節を最後に先発から落とされ、この日は3試合ぶりの交代出場となったリンセン。そして決定的な働きをしたのは、まだユース所属の17歳MF早川。早川はACL決勝戦のメンバーにも選ばれ、リヤドでは後半36分から大久保に代わって出場、活発な動きで前線からのプレス、得意のトリッキーなドリブルなどで存在感を示した。