人気漫画『アオアシ』の作者による、J3愛媛FCの新戦力のイラストがSNSで発表された。圧倒的な筆力と愛情にあふれる一枚に、感動の声が広がっている。
『アオアシ』は、小林有吾さんの手により、2015年から連載がスタートした。愛媛県のサッカー少年のJリーグクラブの下部組織における成長を描いた物語で、アニメ化もされるなど、大人気作品となっている。
作者の小林さんは愛媛出身で、地元の愛媛FCを熱烈に応援していることでも知られる。今回、『アオアシ』のツイッター公式アカウントで、愛媛FCの選手のイラストが公開された。
モデルとなったのは、今季から愛媛FCに加わったFWベン・ダンカンだ。オーストラリア出身で、同国のプロリーグであるAリーグのセントラルコースト・マリナーズの下部組織で育った。
加入が発表されたのは、すでにリーグ戦が始まっていた3月に入ってからだったが、登録直後のJ3第4節ではすぐにベンチ入り。続く第5節には後半頭からの交代出場でJリーグデビューを飾っていた。
これまで、先発出場はない。だが、4月29日にホームのニンジニアスタジアムで行われたFC琉球との第8節では、大きな仕事を成し遂げた。
前半のうちにリードを許し、愛媛にとっては苦しい展開のまま時間が進んだ。後半26分には、ダンカンが交代出場。すると、この背番号9が強く輝いた。
交代出場から4分後、ゴール前の混戦で左足を振るい、自身にとってのJリーグ初ゴールで試合を振り出しに戻す。その4分後は、右足だった。右サイドからのクロスは届かなかったが、こぼれ球を拾った茂木駿佑からのパスを受けると、しっかりとゴール左隅を射抜いたのだ。この逆転ゴールで、愛媛が2-1の逆転勝利を成し遂げた。
試合が終了する頃には、時計の針は夕方5時近くに差しかかっていた。イラストがアップされたのは、翌30日の正午5分前。ダンカンの活躍への感激が、小林さんの筆を一気に走らせたのかもしれない。
イラストに描かれたダンカンは、愛媛FCのユニフォームを着て、オーストラリア国旗を掲げている。さらに、英語で「ベン、僕らの家族の一員になってくれてありがとう」との言葉と小林さんのサインが記されている。