２０２２年はＪ１・５位、JリーグYBCルヴァンカップ準優勝とまずまずの好成績を残し、今季は悲願のリーグ初制覇も可能だと目されたセレッソ大阪。開幕直後は３戦未勝利と苦戦を強いられたが、３月１２日の第４節・サガン鳥栖戦から白星が先行。４月は３勝１敗と明らかに調子が上向いている。
今季初の連勝となった４月２３日の柏レイソル戦も相手にボールを保持される厳しい展開を強いられたが、ここ一番の勝負強さを発揮。毎熊晟矢の一撃で勝ち切り、７位に浮上した。
小菊昭雄監督も「ここで連勝することによってトップ５、３の背中を捉えることができると考えていた」と前向きに語ったが、その原動力となっているのが、今季１２年半ぶりに古巣復帰した３４歳の香川真司だ。
シントトロイデンに在籍していた昨年１１月に左足首手術に踏み切って以来、なかなかコンディションが上がり切らなかったが、４月１日の横浜F・マリノス戦でようやくフル出場。それ以降、９０分プレーし続けており、チームの戦績も上昇傾向。柏戦でも先制点の起点となる鋭いボール奪取を見せるなど、背番号8の存在感は確実に増しているのだ。
「一番大事なのは、１人１人がプラスアルファを生み出して強いチームを作っていくこと。僕も長く欧州でやってきて、チームによってはベストプレーになったし、チームによっては『全然ダメじゃないか』と言われた。それがサッカーの面白いところなんです。
今も個人とチームのバランスには難しさを感じるけど、やりがいもメチャクチャある。チームメートもいいやつばっかりだし、みんなでコミュニケーションを取って、勝つ確率を上げるサッカーを確立させていきたいですね」
ちょうど1か月前、香川はこう力を込めていたが、「セレッソのために」という献身的姿勢を今も押し出し続けている。そういった謙虚さを持てるのも、「試合に出られるのは当たり前じゃない」と痛感した欧州キャリア終盤の経験が大きかったのではないだろうか。
