■シャツでなければ…

 一方、イブラヒモビッチの行為には、「メッセージを伝えるため」という解釈がある。

 2014年のルール改正(これも「国際サッカー評議会の決定」だった)で「アンダーウェア」という項目が設けられ、「政治的、宗教的、または個人的なスローガンやメッセージ、あるいはイメージ、製造者ロゴ以外の広告のついているアンダーウェアを見せてはならない」と規定された。

 あるときゴールを決めたイブラヒモビッチはシャツを脱ぎ、タトゥーで埋め尽くされた上半身を露わにした。彼が示したタトゥーには、世界の飢餓問題にもっと目を向けようというメッセージが書かれていたという。「アンダーシャツでなければいいんだろう」という、彼らしい表現だったのかもしれない。いずれにしてもイエローカードなのだが。もちろん、出たのは1枚だけだった。

(3)へ続く
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