■3年越しの騒動
2021年11月は中国、オマーンとのアウェー連戦だが、2022年の1月下旬から2月1日にかけては中国、そして無敗で首位を快走するサウジアラビアを迎えての「ホーム連戦」がある。2021年の9月にオリンピックの影響で埼スタを使うことができず、最終予選の初戦、オマーン戦を大阪のパナソニック・スタジアムで開催して0-1という思いがけない結果に終わった日本代表。予選終盤の最重要局面ではどうしても埼スタを使いたい。そこで日本サッカー協会は埼玉県に工事の1年延期を要望。埼玉県はそれに応じ、埼スタのピッチに中国とサウジアラビアを迎えることができた日本代表はともに2-0で勝って、出場権獲得を濃厚にした。
ところがその年の夏、また新たな問題が生まれた。AFCチャンピオンズリーグ(ACL)に出場していた浦和レッズが、東地区準決勝で全北現代モータース(韓国)に2-2からPK戦3-1で競り勝ち、決勝戦に出場することになったのだ。当時アジアサッカー連盟(AFC)が発表していた決勝の日程は2023年の2月。1年間延期された埼スタピッチ改修工事の真っ最中となる。
浦和は埼玉県に改修工事のさらに1年延期を要望したが、再度の延期は無理でかなわず、AFCに決勝戦の延期を要望、結局、決勝戦は4月29日に西地区代表(結果的にサウジアラビアのアルヒラルとなった)のホーム、1週間後の5月6日に埼スタでということになった。埼スタの芝生をめぐって3年越しの騒動があったわけだが、日本代表に続き、浦和レッズも「埼スタピッチの恩恵」を受けるのだろうか。