■浦和にとっての懸念

 Jリーグも非常に大事だが、浦和にとって大きな懸案は、3週間後に迫ったAFCチャンピオンズリーグACL)の決勝戦に違いない。スコルジャ監督の就任から3カ月、浦和はまだ新監督が目指すレベルには至っておらず、とくに攻撃面で課題をかかえている。

 決勝戦の相手、サウジアラビアのアルヒラルはアジアのチャンピオンになること4回。現在のACLになってからも、2019年に決勝で浦和を破って優勝を飾り、2021年にも優勝、「ディフェンディング・チャンピオン」の立場にある。

 チームはほぼ昨年のワールドカップで活躍したサウジアラビア代表(アルゼンチンに2-1で逆転した試合では、先発11人のうち実に9人がアルヒラル所属だった)と言ってよく、そこに屈強の韓国代表DF張賢秀(チャン・ヒョンス=2017~2019、FC東京)が加わり、さらにナイジェリア代表のFWオディオン・イガロ、マリ代表のFWムサ・マレガというフィジカルに強い2トップをもっている。ACL「西地区」の準決勝(2月)では、カタールのアルドゥハイルに、イガロの4得点、マレガの2得点などで7-0と大勝している。

 決勝戦はホームアンドアウェイ形式で、第1戦は4月29日にサウジアラビアのリヤドで、そして1週間後の5月6日に埼玉スタジアムで第2戦が行われる。ポイントはアウェイの初戦で守備がどう耐えるか。ショルツとホイブラーテンの両センターバック、酒井と明本の両サイドバックの奮闘とともに、GK西川がここ数年間に大きく成長したことを証明する絶好の舞台だ。

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