■浦和の強さは本物か
私は、今季の浦和の6試合のうち、アウェイの神戸戦を除く5試合をスタジアムで見てきた。最初の2試合(FC東京戦、横浜F・マリノス戦)は、「前線からプレスをかける」というチームコンセプトが空回りし、攻撃がまったく機能しなかった。しかし第2節横浜FM戦のハーフタイムに興梠慎三をワントップに入れてからは攻撃に「ため」と、その結果である「スピード感」が生まれ、第3節、興梠を先発させて初めての試合での勝利で攻守がうまく回転するようになった。
だがそれがJ1の優勝争いを続ける強さかと言えば、そこまではいっていないように思う。何より、選手層が薄いのが気になる。4月5日のルヴァンカップ・グループステージ第3節の川崎フロンターレ戦はJ1リーグの試合からほぼ総入れ替えのメンバーで臨んだが、守備面ではCBの岩波拓也と犬飼智也が好プレーを見せたものの、攻撃面では弱さを露呈、なかなか相手ペナルティーエリアにはいれなかった。3月中旬に移籍が決まったFWホセ・カンテ(スペイン生まれ、ギニア代表)も交代で出場したが、まったくコンディションができておらず、戦力になるまでには相当時間がかかりそうだ。