■興味深いウォーミングアップ
たしかに、昨年来、クロスに対する西川の飛び出しには迷いがなく、プレーも非常にはっきりしている。抜群の「安定感」は、そのようなところからくる。
ミレッ・コーチの指導は、まず自分自身の考える理論を納得がいくまで話し、それから実践させるという手法。セービングのときにどこから地面につくか、そこからどう立ち上がるのかなど、細かな点にまで及んでいる。ミレッ・コーチのとの二人三脚、それが西川を「日々」成長させている最大の力なのだ。
ミレッ・コーチの試合前のＧＫウォーミングアップも独特だ。Ｊリーグの大半のチームのＧＫウォームアップは、投げ上げてのハイボール、倒れ込み、強シュート、クロスへの対応など、試合で想定されるプレーを次々とこなすかなりきついメニューが行われ、２人のＧＫが交代しながら取り組むという形が多い。ミレッ・コーチの場合、ゴールに背を向けて数回ジャンプした後に振り向いてシュートに対応する、クロスも両サイドから同時に上げ、２人のＧＫが互いに惑わされずに対応するといった、「複合的」なものが多く、非常に興味深い。
