日本代表が、カタール・ワールドカップ以来となる活動を開始した。サムライブルーだけではなくU-22日本代表も集結し、ヨーロッパへと遠征した。実り多いものとなった2試合を、サッカージャーナリスト・後藤健生が振り返る。
■PK献上にも揺るがず
ドイツの選手の強力な推進力に直面してクリアするのが精一杯だった日本だったが、時間とともに相手のやり方にもピッチ・コンディションにも慣れていく。そして、鈴木唯人(ストラスブール)や山本理仁(ガンバ大阪)がテクニックを生かしてドイツの守備網を突破してシュートチャンスを作れるようになっていく。
そんな、リズムに乗りかけていた39分に、ペナルティーエリア内でDFの内野貴史(デュッセルドルフ)がンガンカムを倒してPKを与え、ンガンカム自身に決めれて先制されてしまったのだが、日本代表はそこで崩れることなく、反発心を示してすぐに反撃に移った。
そして、失点からわずか3分後には左CKからDFの西尾隆矢(セレッソ大阪)が頭ですらして、ファーサイドでフリーになっていた佐藤恵允(明治大学)が頭で決めて1対1の同点として折り返すことに成功した。
さらに、後半開始直後に日本は逆転ゴールを決める。キックオフから戻したボールをドイツ陣内深くに蹴り込むと、ハーフタイムに交代したばかりのドイツのDFシモン・アスタ(グロイター・フュルト)がGKにバックパスしたのだが、このボールが緩くなってしまったのだ。すると、抜け目なくこれを狙っていた佐藤がカットし、佐藤からの優しいパスを中央に走り込んだ細谷真大(柏レイソル)が決めて、後半開始からわずか10秒でゴールが決まった。