■仙台は前半3失点でホーム連敗

 4戦負けなしの2連勝と調子をあげてきた長崎とは対照的に、同じJ1昇格候補のベガルタ仙台は波に乗り切れていない。今節はツエーゲン金沢をホームに迎え、2対3で敗れてしまった。

 試合後にマイクを向けられた伊藤彰監督は、「前半の入りがすべて」と話した。9分に先制されると、18分、23分と失点を重ねた。

 3月12日のいわきFCとのホームゲームでも、仙台は10分過ぎから主導権を握られた。CKを立て続けに与え、20分にCKの流れから失点している。これが決勝点となり、0対1で敗れた。

 この日も立ち上がりからCK、FKを連続して許した。9分の失点はFKをきっかけとしたもので、18分の2失点目は金沢の右CKからだった。

 3失点を喫した直後から、伊藤監督はシステムを変更した。3-1-4-2から4-4-2とし、そこからチャンスを作り出せるようになった。チームとしての柔軟性は評価できるものの、軸足となるシステムが機能しなかった事実は重い。シーズン6試合目にして、戦い方が定まっていないということになってしまうからだ。

 スタメンも入れ替わりが頻繁だ。とくに前線の組合せに苦しんでいる。韓国代表歴を持つFWホ・ヨンジュン、昨シーズン14ゴールの中山仁斗が、いまだゴールをあげていない。そもそも6試合で6得点だから、タレント豊富な攻撃陣が機能していないのだ。

 この日は左CBのキム・テヒョンも、U-24韓国代表への招集で不在だった。くしくもいわき戦も彼が出場停止だったが、それだけが敗戦の原因と言っていいのか。開幕から2試合はクリーンシートを達成したものの、3節以降は失点を重ねている。昨シーズンからの持ち越し課題となっているディフェンスの安定感もまた、再び悩みの種となってきた。

 次節もユアスタでのホームゲームだ。相手は長崎である。

 J1昇格の目安は、試合数の倍の勝点と言われている。ここまで2勝2分2敗の仙台は勝点8を稼いでいるが、FC町田ゼルビア東京ヴェルディ大分トリニータブラウブリッツ秋田ヴァンフォーレ甲府のトップ5は、すでに勝点を2ケタに乗せている。ともにJ1昇格をターゲットとする仙台対長崎の一戦は、サバイバルマッチと言ってもいいだろう。

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