J2のヴァンフォーレ甲府でピーター・ウタカが、甲府復帰後初となるリーグ戦でのゴールを決めた。ゴールも見事だったが、それ以上にファンの注目を集めるポイントがあった。
「キングが戻ってきたぞ」。今シーズンの甲府加入にあたり、ウタカはそうメッセージを送っていた。
2015年に初めてJリーグのピッチに立ったウタカは、6チームのユニフォームに袖を通してきた。甲府でのプレーは2019年の1シーズン限りだったが、40試合で20得点と、Jリーグでの過去最高の得点率を残していた。
復帰後初の公式戦となるスーパーカップでゴールを記録していたが、J2リーグでは無得点が続いていた。だが、26日の水戸ホーリーホックとのJ2第6節で、ついにキングが目覚めた。
1点リードで迎えた後半4分のことだった。ゴールキックから始まった攻撃が、最前線のウタカに渡る。2人のDFに追いすがられたが、ペナルティーエリア手前でわずかながらも空いたコースを見つけると、思い切ってシュート。ゴールは濡れた芝の上でバウンドし、ゴールネットを揺らした。
決して派手ではないが、一瞬の決断力が光るストライカーらしい一撃だった。この動画がJリーグのツイッター公式アカウントで公開されると、「ウタカ決めてくれた!」と喜びの声が寄せられた。