■ロシアを迎えようとする動き
地理的に見れば、ロシアといっても、ウラル山脈から東は「アジア」に属する。ウクライナ侵攻という要素を無視すれば、AFC転籍はけっして根拠のない話ではない。少なくとも、地理的には、南半球のオーストラリアがオセアニアサッカー連盟(OFC)からAFCに転籍したとき(2006年)よりも説得力はある。
そして早くも、旧ソ連圏の国々を中心としたAFCの地区連盟である中央アジアサッカー連盟(CAFA)は、ことし6月9日から21日までウズベキスタンとキルギスタンで開催される「中央アジア選手権」にロシアを招待したというニュースも伝わっている。
2015年に設立されたAFC傘下の最新の地区連盟であるCAFA。加盟国はわずか6か国である。アフガニスタン(南アジアサッカー連盟から転籍)、イラン(西アジアサッカー連盟から転籍)のほかは、旧ソ連からAFCに加わった5か国のなかでAFCに残っている4か国である。選手権をするには8か国のほうが都合のいいこともあって、ロシアのほかにもう1か国を招待するらしい。
また国際オリンピック委員会(IOC)とアジアオリンピック評議会(OCA)は、ことし9月から10月にかけて中国の杭州で行われるアジア競技大会に、ロシアおよびロシアと同様に資格停止になっているベラルーシの参加を容認する方向であることも伝えられている。こうした「既成事実」をテコに、ロシアのAFC転籍への動きが本格化する可能性は十分ある。