■通訳との主導権争い
幸い、この時もポルトガル語でした。しかも、ポルトガル本国のポルトガル語はブラジルのポルトガル語よりはスペイン語に近いので、僕もある程度は理解できます。
そこで、「ここは、通訳が自分の意見でしゃべっているな」と思った時は、同じことを再質問してみます。そういうことを繰り返すことによって、通訳の彼に「この日本人記者はサッカーのことに詳しい。しかも、ポルトガル語も少しは分かっているようだ」と思わせるのです。
そうすれば、インタビューの主導権を取り戻すことができます。そして、その後はきちんと翻訳してくれるようになるというわけです。
つまり、外国語でインタビューする時には、まず、通訳氏の語学的な技量やサッカー知識の程度などを見抜く作業が必要になります。そして、自分の意見を入れてくるような通訳だったら、主導権争いのようなこともしなければならないのです。
そのために、やはりカタコトでもいいから、現地の言葉が少しは分かった方がいいのは間違いありません。
通訳なしでインタビューしたりするほどの語学能力を身に着けるのには、大変な努力が必要です。しかし、まったく一言も分からない「ゼロ」の段階からカタコトくらいまでなら、それほど苦労しなくても覚えることができます。だから、特定の言葉に堪能になるよりは、いろいろな言葉がなんとなく理解できるレベルようにする方が効率的だと思います。