■辻褄が合わない!

 1999年にフランスで『サッカー批評』初の海外取材を敢行した時にも(第3号「なぜ、フランスは勝てたのか」特集)、すごいフランス語通訳がやってきました。あるインタビューを終えて、夜中に内容をまとめていると、どう考えても辻褄が合わない箇所があるのです。

 そこで、僕はインタビューのテープ(当時はまだ録音にはカセットテープを使っていた)を聞き直してみました。「おかしいな?」と思った箇所を何度も何度も聞き直してみると、どうやら相手が否定の意味で言ったことを、通訳氏が肯定的に訳していることが分かりました。

 それで疑いを持って、インタビューを通して聞き直してみたら、同じような間違いがたくさんあったのです。

 幸いにも、1998年にはフランスでワールドカップがあり、大会前に半年ほどフランス語学校に通ってフランス語を習ったばかりだったので、なんとか聞き取りができたのです。

 フランス語は、もうすっかり忘れてしまいました。

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