■J2初の”静岡ダービー”は電撃的な幕開けに
17歳の大型ストライカーが、ビッグマッチでそのポテンシャルを見せつけた。
3月18、19日に行なわれたJ2リーグ第5節で、もっとも注目を集めたのはジュビロ磐田対清水エスパルスの“静岡ダービー”だっただろう。試合当時はあいにくの雨だったが、最寄り駅は両チームのサポーターで溢れ、エコパスタジアム周辺の道路には渋滞が発生していた。22937人の観衆は、今シーズンのJ2リーグ最多である。
J2で初となる“静岡ダービー”は、電撃的なゴールで幕を開ける。決めたのは磐田のFW後藤啓介だ。ここまで全試合に先発してきたFW杉本健勇がメンバー外のため、191センチのサイズを持つ17歳は初めてスタメンに名を連ねた。
開始2分、ジャーメイン・良の縦パスに反応して左サイドから抜け出すと、ペナルティエリア内まで持ち込んで左足を振り抜く。カタールW杯日本代表のGK権田修一が守る清水のゴールを、鮮やかに破ったのだった。
「ジャメくんが前を向いた瞬間、絶対に出てくると思ったので走り出したら、ホントにボールが来て。あとは思い切り振った結果で、自分でもどこにシュートがいくのか分からなかったですけど、いいところにいってよかったです」
途中出場から2ゴールをあげた開幕戦以来となる後藤の得点で、ホームの磐田が先制点をあげた。しかし、アウェイながらサポーターの強烈な後押しを受ける清水も、42分に主砲チアゴ・サンタナのシーズン初ゴールで同点に持ち込む。昨シーズンのJ1得点王が、クオリティの高さを見せつけた。
前半は1対1で終了した。