■点の取り合いで「痛み分け」に

 試合を通してゲームを支配したのは清水だった。清水が敵陣でボールを保持しながら好機をうかがい、磐田がしのぎつつカウンターを繰り出す構図のなかで、66分に磐田がリードを奪う。右SB鈴木雄斗のクロスを、途中出場の左MF松本昌也がヘディングでプッシュした。清水の守備陣の小さな連携ミスを、磐田は見逃さなかった。

 清水のゼ・リカルド監督は、77分に左SB吉田豊、MF乾貴士、FWオ・セフンを3枚同時に投入する。85分には5枚目の交代カードとして、MF宮本航汰も送り出す。

 184センチのチアゴ・サンタナと、193センチのオ・セフンを最前線に並べた清水は、ゴール前へボールを供給していく。ブラジル人指揮官の選手起用が奏功したのは87分だ。最終ラインからのロングボールをきっかけとして、チアゴ・サンタナに至近距離でシュートチャンスが訪れる。得意の左足を振り抜いたブラジル人FWは、チームを敗戦から救うゴールを叩き込んだ。

 静岡ダービーは2対2のドローに終わり、磐田は1勝2分2敗の15位となっている。清水は5試合連続引分けの14位だ。両チームともに勝点を積み上げるペースが上がっていかない。

 77分までプレーした磐田の後藤は、2度のリードを守れなかったことについて、「そこがいまの課題だと思います」と話した。

 続けて、「自分は1年目なので、順位とか勝点をあまり気にせずに、ガムシャラにやることが大事。ガムシャラにやっている結果として(ここまで)3点取れたり、先発できたり、試合に絡めているので。順位とか勝点は先輩がたに任せて、自分は目の前の試合をガムシャラにやるだけです」と、次節以降もチームに貢献することを誓った。

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