■遺跡のようなスタジアム

 さて、クラクフ訪問のもう一つの目的。それは、もちろんサッカー観戦でした。

 3月30日の土曜日にヴィスワ・クラクフ対MKS“ODRA”のリーグ戦の試合があったのです。「ヴィスワ・クラクフ」は1部リーグ優勝13回と言う名門。そして、南西部シロンスク州のヴォジスラフをホームとするODRAは現在は3部リーグにいますが、当時は1部で戦っており、1997年には3位に入ったこともあるチームでした。

 試合は1対1の引き分けでしたが、得点はともにPKによるもの。もっとも、今では試合内容はまったく覚えていません。記憶に残っているのは試合が行われたスタジアムの光景でした。なんと、古いスタジアムはギリシャ・ローマ時代の古代遺跡のように見えたのです。

 後から調べてみると、ちょうど新スタジアム建設が進んでいた時期だったのです。それで古いスタジアムを使っていたのでしょう。もう使われなくなって20年くらいが経過して、スタンドの一部は崩れてしまった部分もあって、それで遺跡のように見えたのです。

 それでも、1万人くらいの観客が入り、14時30分キックオフの試合開始時には気温も21度まで上がって、イースターを前に明るい春の光の中での楽しい試合観戦でした(ウッジでの日本代表の試合の時は、気温が9度でした)。

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