後藤健生の「蹴球放浪記」第153回「15時発の列車はもう出てしまったの?」の巻(2)「まるで古代遺跡」のスタジアムでの観戦翌日のトラップの画像
ヴィスワ・クラクフの試合の記者証 提供/後藤健生

 3月に入り、一気に気候も春らしくなってきた。蹴球放浪家・後藤健生が思い出すのは、2002年のポーランドだ。トルシエ・ジャパンが自国開催のワールドカップを前に勝利を持ち帰った遠征だ。もちろん、蹴球放浪家も、貴重な経験を積んできた。

■クラクフ行きの目的

 クラクフ行きの2番目の目的は、クラクフ近郊にあるアウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所跡の見学でした。「アウシュヴィッツ」、「ビルケナウ」はドイツ語の地名。ポーランド語ではそれぞれ「オフィシエンチム市」、「ブジェジンカ村」と呼ばれます。

 ここでは詳しくは書きませんが、とにかくナチス・ドイツがユダヤ人の絶滅を実行するために建設した悪名高い収容所です。効率的に殺人を行うことだけを目的に建設された巨大な施設を前に、僕はただただ圧倒されました。

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