2023年のJ1リーグが開幕した。まだ第3節までを終えたばかりだが、どのような勢力図になっているかは気になるところ。サッカージャーナリスト・後藤健生が、直近の戦いぶりから優勝候補たちの現在地を探る。
■広島に押された第3節
「フライデーナイトJリーグ」と銘打って3月3日の金曜日に行われた横浜F・マリノスとサンフレッチェ広島の試合は期待に違わぬ非常にハイレベルな試合となった。
昨年はミヒャエル・スキッベ監督の下でコレクティブな素晴らしいチームを作って3位に入った広島がチャンピオンチームに挑む試合だった。この6年間、J1リーグのタイトルは横浜FMと川崎フロンターレが独占してきたが、その両チームをストップする最有力候補が広島だ。
先手を取ったのは広島だった。
開始4分に中盤での競り合いでナッシム・ベン・カリファが味方につないだところから右サイドに展開。右ウィングバックの満田誠からのクロスを、左ウィングバックの東俊希がゴール前まで詰めて先制した。
そして、その後も積極的にハイプレスをかけた広島が横浜FMを押し込んでチャンスをつかみ続けた。
6分には左CKからピエロス・ソティリウがヘディングシュート、7分には右サイドで満田からのパスを受けた森島司がシュート。さらに8分には中盤でのFKの場面で、横浜FMの守りの隙を衝いて、満田が意表を突いたシュートを狙ったが、これはゴール・ポストを直撃。こうして、広島は何度かの決定機を作ったが、2点目は生まれなかった。
しかし、10分を過ぎると、この広島のハイプレスに慣れた横浜FMがパスのスピードを上げて反撃に移る。