■小国の独自の言葉

 11月16日のオランダ戦から19日のベルギー戦まで中2日あるのを利用して、僕は17日にはルクセンブルク対モンテネグロ、18日にはイタリア対ナイジェリアの試合を観戦に行ったのです(イタリアの試合は、ロンドンのクレーヴン・コテージ=フラムの本拠地で行われました)。

 ベルギーという国ではフランス語(ワロン語)とオランダ語(フラマン語)、それにドイツ語が使われています。それと同じように、僕はルクセンブルクでもドイツ語とフランス語が使われているのだと思っていたのです。そうしたら、キックオフ前に大型スクリーンに映し出されたのはルクセンブルク語だったというわけです。

 ルクセンブルク大公国はオランダ、ベルギー、ドイツに挟まれた面積が2586平方キロという(神奈川県より少し大きい)小国ですが、ヨーロッパの金融センターの一つとなっているためかなり裕福な国です。また、首都のルクセンブルクは山の中にあって、とても風光明媚な街です(僕は、スマホの待ち受け画面にルクセンブルクの風景を使っています)。

 その試合前に映し出されたルクセンブルク語。ドイツ語の方言の一つなのですが、ルクセンブルクが独立国になっているおかげで、「国語」としてドイツ語とは独立した言語として扱われており、標準ドイツ語、フランス語と並ぶ公用語になっているのです。

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