■まさかのキャリア
1998年、兄弟ともに選手生活が終わりに近づいたパトリシオとカルロスは、故郷のサンタローサの郊外に4ヘクタール(サッカーピッチが5面から6面取れる広さだが、実際には2面のフルピッチのほかに、クラブ本部、体育館、ミニピッチなどさまざまな施設がつくられた)の土地を購入し、選手育成のための「クラブ・デポルティボ・マカリスター」を設立する。そして1999年に兄弟そろって現役を引退。ここでユース選手の指導に専念する。
ただ、弟カルロスは予想もしなかったキャリアをたどることになる。2013年に「共和国の提案党」からラパンパ州選出の国会議員に立候補して当選、2015年から2018年にかけては、マウリシオ・マクリ大統領の下で「スポーツ長官」という要職を務める。したがって54歳となった現在の肩書は「政治家」である。一方兄のパトリシオはサッカーコーチとしてのキャリアを積み、「CDマカリスター」を統括する一方、アルヘンチノスのユースチームの指導などにもあたっている。
そして弟カルロスの3人の息子が、有名な「サッカー兄弟」となるのである。カルロスがボカ・ジュニアーズでプレーしていた時期(1995年)に生まれたフランシス、ラシン・クラブに在籍した時期(1997年)に生まれた次男ケビン、そして1998年にサンタローサで生まれたアレクシス。3人はそろってアルヘンチノスのユースチームで育ち、プロ契約を結んだ。