サッカーは無数のディテール(詳細)であふれている。サッカージャーナリスト・大住良之による、重箱の隅をつつくような「超マニアックコラム」。今回は、スコットランド人? アイルランド人? いやアルゼンチン人!
■マカリスターのルーツ
アルゼンチンで「マカリスターMac Allister」という名字は珍しい。「マック」といえばスコットランドではないか?
「文春新書」に『人名の世界地図』という便利な本があって、世界中の名前について解説してある。そこには「マクドナルドMcDonaldやマッカーサーMacArtherのように、マック(Mc、Mac)のついた姓であれば、スコットランド系だということがわかる」と書いてある。そして「マックとはスコットランドの高地ゲール語で『~の息子』を意味する」と解説されている。
スコットランドの「Mac」に対し、アイルランドでは「O‘」がつくというのが一般的な常識だ。『風とともに去りぬ』の主人公スカーレット・オハラ(O’hara)の例がすぐに浮かぶ。これも「~の息子」の意味だ。しかし実際には、アイルランドでも「マック」のついた名字をもつ人も少なくない。そしてアレクシス・マカリスターも、アイルランドに根をもつ人物だった。