■カタールで迎えた転機
しかしカタールでの初戦、サウジアラビアに1-2で敗れると、アルゼンチンのリオネル・スカロニ監督は24歳の誕生日を前にしたこのエネルギッシュなMFの運動量がチームに必要であると判断、続くメキシコ戦で先発させた。マカリスターは豊富な運動量で中盤を支えるとともに、メッシのPK失敗などで苦しんでいたアルゼンチンに貴重な先制点をもたらした。以後、マカリスターは全試合で先発する。
アレクシス・マカリスターの「サクセスストーリー」は、まさにメキシコ戦から始まったと言ってよい。決勝戦での圧倒的なパフォーマンスを経て、彼の名は世界に認知され、ブライトンの快進撃もあって多くのビッグクラブが注目する存在になったのである。けっしてテクニックをひけらかすタイプの選手ではない。しかし肺が4つあるのではないかと思うほどの運動量と、90分間集中を途切れさせることなく続く強度の高いプレー、ボールを受けたときにはすばやい判断でつなげていく能力は、現代サッカーの監督たちが最も望むものに違いない。