■大宮から山形に加入の小野は「左SBで勝負」
21年5月から指揮を執るピーター・クラモフスキー監督のもとで、山形は3シーズン目を過ごしている。21年は7位、22年は6位とプレーオフ圏の実力を蓄え、今シーズンは15年以来となる3度目のJ1昇格を現実的なターゲットとする。そのための新戦力として、CB西村慧祐、左SB小野雅史、右ウイングのイサカ・ゼインらを補強した。
大宮アルディージャから加入した小野は、プロ4年目の22年に左サイドバックにコンバートされた。フィジカルバトルに激しく挑むことができ、ボールの配球役にもなれる左利きMFは、新境地を開いたのだった。
山形でも左SBに指名され、開幕戦に続いてスタメンに名を連ねた。チームへのフィット感を問われると、「手ごたえを感じています」と、間を置かずに答える。
「自分がやりたかったサッカーができているというのがありますし、役割が多いぶん、求められていることも多い。選手として成長できる環境でプレーできていると思います」
大宮在籍時にコンバートされた際には、当時の霜田正浩監督と北嶋秀朗コーチらから「日本代表を目ざせ」と言われた。小野の胸では、その言葉がいまも力強く息づいている。
「自分がどのポジションで生きていくのかを考えたときに、サイドバックでのチャレンジに可能性を感じています。大宮で教えてもらったスタッフにそう言ってもらえたので、そこは覚悟を決めて山形に来ました。サイドバックとして、これからやっていこうと思っています」
左SBとしてW杯に4大会出場を果たした長友佑都は、くしくも明治大学の先輩だ。国際舞台への飛躍を期し、小野はJ2で自らを高めている。